ローマのレストラン放浪記【受難篇】に書いたとおり、いまいちコレぞ!というレストランに当たることができず消化不良の私たちは、初心に立ち返って自分の足でお店を探すぞとローマの下町トラステヴェレ地区にやって来ました。蔦の絡まるレンガの家、細い路地、上を見上げると建物の間には洗濯物がはためいて・・・いかにもローマな雰囲気。たくさんのレストランがひしめきあっていて、それを目当てに訪れる観光客と地元の人々でごった返しています。
入ってすぐの所にネットでおすすめと言われていた「Carlo Menta」が見えたものの、いやいや今度こそ騙されないぞとこらえてスルー。もう少し先にあった「GINO」というお店が美味しそうだったのでここにしてみました。
今度はピザをオーダー。ローマ風のピッツアは極薄の生地が特徴のようで、パリパリして軽いのでお皿一枚分の大きさでも難なくペロリ。とっても美味しい。ひとつ気づいたのは、どうやらピザというのは日本人にとってのラーメンみたいなもので、出てきたらすぐに食べないとあっという間に冷めて味が落ちてしまうのです。ということで夫と向かい合って二人、声も出さずにひたすらピザを頬張る・・・笑
そしてローマに来たからには食べてみたかった「ローマ風アーティチョーク」。素朴な味で美味しいけれど、個人的には煮るより揚げる方が好きだなと思いました。デザートのパンナコッタはもっちりしてクリーミィで、日本で食べる味とは違ってとても濃厚。乳製品好きにはたまらない一品。
やっと満足できる食事にありつけてすっかり気を良くし、これは快進撃の始まりかも!?と、次の日の夕食もバスに乗ってトラステヴェレへ。その予感に応えてくれるかのように、目の前に現れた「Ivo a Trastevere」。
ここはメインストリートからちょっと外れるにも関わらず、お店の外まであふれ出る人々と忙しく動き回るウェイターさんでものすごい熱気。さすがイタリアの食卓なのか、みんな大声を張り上げてお喋りに興じています。やっぱりこういう活気ある下町のレストランが一番身の丈にあってしっくりくる感じ。
前菜はモッツアレラとプロシュート。みずみずしいモッツアレラはミルクの旨みをギュッと濃縮したように弾力があって食べごたえ充分。プロシュートも味が濃く、そのしょっぱさをモッツアレラに合わせて食べると生まれる至高のハーモニー(と思わず美味しんぼ語りしてしまう美味さ!)
自家製パスタはうどんのような形状で、コシがあって日本人の口によく合います。何よりトマトとアスパラガスのソースに海老の旨みが凝縮されていてとっても美味しい!シンプルに見えるけど、丁寧にダシを取っているんだろうなあという味わい。夫の頼んだラグーソースのパスタもコクがあって同じように美味しかったです。
やっぱりローマで美味しいお店に行きたかったらトラステヴェレ!の言葉通り、歩き回って良さそうなお店を見つけたら入ってみると失敗がなさそうです。
〜おまけ〜
最後の日のランチもIVOに行きたかったけれど、残念ながら昼は開いていないので代わりに行ってみた「Carlo Menta」。観光客の行列ができていて、やっぱり日本人の姿も多い。思っていたよりパスタのソースが美味しかったのは嬉しい驚きだけど、輪ゴムみたいな麺はいかがなものか・・・。
でもまあ安いから得したと思えば許せるものです。今回行ってみたレストランはどこもお会計30〜40ユーロくらいで、普段ジュネーブで払っているお勘定を考えれば衝撃の安さ。だんだんスイス人並に心が広くなっていくような気がします・・・。